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パナマ人であり、パナマは繁栄している。金融センターとしても有名で120の銀行がある。パナマ市は小さな香港というイメージになりつつある。
港湾施設の拡張計画もある。大西洋側には優秀なコンテナ港がある。エバグリーン、シーランドが計画し、大西洋−太平洋間の道路整備をしている。即ち陸上輪送の整備も進みつつある。軽工業も発展しているし、将来は観光が伸びるものと注目されている。
船舶検査に関する質問への答は本に入っている。
パナマは小国で、それにも拘わらず船舶の登録はオープンである。これに伴う事務は大きくない。登録関係職員200人、うち15人がWオフィスにいる。シンガポール、香港、東京、ロンドンにもオフィスがあり、世界各地に60名のレジストレイションのためのカウンセラーがいる。登録のためのオリジナルの仕事をしている。
登録船舶は13万隻、10億総トンになる。品質に拘わる業務は船級協会に委ねている。船舶の有する船級、安全証書に係わる検査、それらは国際条約に規定されている。IACS全てに任せている。ロシア(の船級協会)はアプルーブしていない。例外である。我々は船級協会をモニターする立場である。
最近は直接造船所から(パナマヘの)登録を申し込む、そういう新造船が増えている。最近のレポートによると造船所から直接登録希望してきた数は421隻になる。リベリアは2位だが、差がある。新しい登録の申請はリベリアより数は多い。
ニューヨークの事務所は船級協会の要人と協議することをしている。私自身船級協会の代表者に会う。運航現場にも立ち会い、船級に関する視察もし、助言し、設備も確認する。オーナーとの協議、船級協会との協議、港湾関係者との協議は全て本国に連絡し、ファイルしている。
型式承認については責任があるので、船級協会に委ねてはいるが全てを任せきりではなく、一部は自分たちでする。LR、ABS、BV、DNV等〃、ハンブルク、東京などから船級協会の人に1年に1度来てもらう。
トン数測度はエキスパートを揃えている。メジャーは抽出作業によりチェックする。Directorate ofConsular and Maritime Affrairsの業務はパナマ人がしている。私は唯一の米国人である。米海軍でキャプテンをしていた。カレッジは4つ出ている。コロンビア大学を卒業後、海洋学を他の大学で学んだ。修士号は数え切れない。ワシントンDCにあるMOTの教育機関、US National MArine Reserch Centerにも務めた。(以下一部略)
1977年にこの事務所が設立され、委員会は5つあった。旅客船委員会、タンカー委員会、貨物船委員会、オフショアインダストリー委員会、そしてポリシー委員会でメンバーは各会社の社長である。
船舶検査官は世界に300人有している。臨時に採用された元キャプテンや造船技師等であり、30人がフルタイム、270人がパートタイムである。昨年3,500の検査をした。レポートの結果、違反したりしたら政府に差し止めさせる。船級協会のサーベイヤーは安全証書に関しては厳密な検査をする。300人のキャプテンOB達は、検査は1日であり、現場主義、いわばPSCのようなものである。しかし消防関係などは詳しく見る。緊急時に対応がとれるための検査をする。

 

 

 

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